My Medical Choice 「今聞きたい当事者たちの声」日本国内編

当会に寄せられたご意見やアンケートをもとに、「HBOC当事者」の思いをお伝えします。

これから検査を受けるかどうか悩んでいる方や、医療者の皆様にとっても大切なメッセージだと私たちは考えています。

【①年齢/性別②発端者/血縁者/その他③検査結果◆遺伝子検査を受けた理由・受けなかった理由・HBOCの場合RRM、RRSOについての経験談や思い】    

HBOC:遺伝性乳がん・卵巣がん  RRM:リスク軽減乳房切除術  RRSO:リスク軽減卵巣卵管切除術

①女性/34歳 ②発端者(2009年DCIS、2013年温存乳房内再発ステージⅠ) ③BRCA2変異陽性

◆乳がんの家族歴(若年性がんと男性乳がんの親戚)があり、遺伝子検査に興味はありましたが、初発時(2009年)は*DCISだということもあり、また費用のこともあり遺伝子検査を受けませんでした。しかし、標準治療を受けていたにも関わらず2013年に温存乳房内再発(ステージ1)がわかり、また費用も加入しているがん保険でカバーできたことから遺伝子検査を受けました。
検査の結果HBOC(BRCA2に変異あり)と判り、辛い治療も受けてきたし、初発が早期だったけど、自分の生活習慣などが原因ではなく、そういう遺伝子の変異を持って生まれたのだから仕方ないのだと割り切ることができました。
今でも検査を受けて良かったと思っています。しかし、未婚と言うこともありRRMやRRSOについては踏み切ることができません。乳腺外科、婦人科の先生方とは折を見て相談しつつ、変異があるとわかったことでより検診などに意識が向くようになったので今はまだ検診に重点を置いています。

 

*DCISとは Ductal Carcinoma In Situの略
 非浸潤性乳管がん。intraductal carcinoma(乳管内がん)とも呼ばれる。

①女性/43歳 ②血縁者 ③陰性(未発症)

◆長姉が若年で卵巣がんで他界、次姉も乳がんを患い遺伝検査で陽性だった事もあり医師から検査を強く勧められた。検査では事前の入念なカウンセリングを

受け夫の同意も得た。子供がいるのでもし陽性だったら自分の問題というより子供達の将来に影響を与える事に恐怖と不安を感じた。幸い結果は陰性だったが、がん専門病院の医師から勧められるまでこの遺伝子変異の存在を知らずにいた。これが一般的に知られ遺伝カウンセリングが誰でも受けやすい環境があれば長

姉は適切な定期検査を受け早期に異常を見つけ、サイレントキラーと言われる卵巣がんで苦しみ、幼子を遺して若くして他界することを避けられたのではない

かと思う。

ハイリスクでは?と感じる人が検査によって不安を解消したり、また精神面肉体面で必要なサポートを受けて前向きにリスクに向き合う環境が必要と思う。

①女性/54歳 ②発端者(卵管がん、予防切除時発見) ③BRCA1変異陽性

◆遺伝子検査を受けた理由は、母を卵巣癌で亡くして30年位ずっと不安があったからです。自分自身の為、子どもたちの為に結果が陽性ならRRSOを受けたかったので検査を受けました。結果はBRCA1に遺伝子変異があったのでRRSOを受けました。その結果、卵管がんが見つかったので手術を受けた事は良かったと思っていますが、まだ自分や子どもたちの事で不安があります。
同じ当事者である方のお話しが聞きたくて、クラヴィスアルクスに入会しました。
 

①女性/63歳 ②発端者 ③BRCA2変異陽性

◆以前から乳がんの講演会やボランティア(病院訪問)の勉強会で遺伝性乳がんについて聞いてきました。自分は今回26年目にして(26年前に左乳房全摘手術を受けている)反対側の乳房にがんが出て、今後の生きる指針として知りたいと思い、遺伝子検査を受けました。
家族に娘が2人、妹2人、女の子の孫が3人いる事も、検査を受ける理由になりました。
 

①女性/45歳 ②発端者(異時両側乳がん発症2005年ステージⅡ,TN25㎜,2014年ステージⅠ,TN,13㎜) ③本人、妹ともBRCA1変異陽性

◆アンジーの告白以来、もしかして私も、という思いはあったが、父方祖母の他に発症者はおらず、迷っていた。対側の発症と病理結果をうけ検査を決断した。結果を知りショックだったが、がんに罹った理由が分かりスッキリした気持ち、恐怖など様々な感情が一瞬に駆け巡った。両側乳がんを発症しており「卵巣は大丈夫」とは到底思えず、結果を聞いたその場で卵巣切除を決めた。家族も望んでいた。切除後はむくみにくくなるなど、むしろ以前より体調がよい。そのおかげもあってか、今は安堵と前向きな気持ちを感じている。

①女性/46歳 ②発端者(2011年乳がん、硬癌、*TN、ステージⅡ) ③BRCA1変異陽性

◆2008年に姉が卵巣癌で他界。私は2011年に乳がんを発症しました。当時はHBOCについて情報を得ることも難しく、私自身も家族性腫瘍についての誤解もありました。最初は姉や私のがんの原因が判るならならと言う思い、遺伝子変異が原因ならば、未発症の家族へ注意を促すことが出来ると思いました。遺伝子変異について対応してくれる病院選びから始まり、遺伝カウンセリングを受けるかどうかの選択、陽性だった事で術式の選択も…ひとつひとつ考え選択してきました。何を選択するかはその人次第ですし、予防的切除については、陽性判定から3年経った現在でも決断出来ない自分がいます。家族・友人・医師・遺伝カウンセラーたくさんの方々に支えられ、今は元気でいられてると信じているので、焦らず、日々楽しく生きることが今の私のMedical Choiceです。

*TNとは Triple negative(トリプルネガティブ)
 エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2の3つ(トリプル)が腫瘍細胞に発現していない(ネガティブ)乳がんのことをトリプルネガティブ

   と呼ばれている。

Photo by L.S.

アンケートにご協力下さいました当事者の皆様、心より感謝申し上げます。また、ご自分の体験や思いを伝えたいと思って下さっている当事者(ご家族を含む)の皆様、随時メッセージを募集しておりますので、お問合せフォームより必要事項ご記入の上送信下さいませ。(メッセージの公開に際しましては、全て匿名とさせていただいております。当会未入会の方でも受付けております)

HBOC:遺伝性乳がん・卵巣がん  RRM:リスク軽減乳房切除術  RRSO:リスク軽減卵巣卵管切除術